パテック・フィリップと言えば、クラシカルなドレスウォッチのイメージが強いだろう。しかし、同ブランドが2015年に発表した「カラトラバ パイロット トラベルタイム Ref.5524」は、その常識を覆す、航空時計の伝統に敬意を表した異色作である。そして2018年、ローズゴールドケースを纏った「5524R-001」が登場した。
このモデルの最大の特徴は、42mmという堂々たるローズゴールドケースと、航空計器を思わせる視認性の高い文字盤にある。深みのあるブラウンからブラックへとグラデーションを描く「ヴィンテージブラウン」の文字盤には、大型のアプライド・アラビア数字と、剣型の針が配されている。特に、現地時間を示すローズゴールド針と、原居地時間を示すスケルトン針の二つの時針は、一目で二つの時間を読み取ることを可能にする。
実用性も見逃せない。左側面に配置されたスクリューダウン式プッシャーで、現地時間を1時間単位で簡単に進めたり戻したりできる。この操作に連動して日付も変化するため、時差のある旅先でもストレスなく使用できる。さらに、現地時間と原居地時間それぞれに専用のデイ/ナイト表示窓が備わっており、昼夜の感覚を視覚的に把握できる。
心臓部には、自社製の自動巻きムーブメント「キャリバー26-330 S C FUS」を搭載し、約45時間のパワーリザーブを誇る。サファイアケースバックからは、その精巧な仕上げを鑑賞することができる。この時計は、パテック・フィリップが過去に製造したパイロットウォッチの遺産を尊重しつつ、現代の旅人のために生まれ変わった、まさに「伝統の翼を持つ時計」である。 |