時計は単に時を刻む道具ではなく、一つの世界観を紡ぎ出す物語の器である。IWC インターナショナルウォッチカンパニーが航海計器を起源とする「ポルトギーゼ」コレクションから、特にIW371491のブルーダイアルモデルは、紺碧の海と蒼穹を思わせるその姿で、一瞬にして鑑賞者の心を掴んで離さない。
第一印象を決定づけるのは、その深く澄んだブルーの文字盤である。太陽光線模様(サンレイ仕上げ)が施されたその面は、光の角度によって表情を変え、時に深海のように静謐に、時に南仏の海のように鮮やかに輝く。この「ポートギーゼ・ブルー」は、コレクションの象徴であり、大海原を自由に行き来した航海時代のロマンと、洗練された現代のエレガンスを見事に融合させている。
文字盤を囲むのは、ポルトギーゼらしい細やかな目盛りと、アラビア数字のインデックス。シンプルながらも高い視認性を保ち、中央に配されたクロノグラフの3計器盤(30分積算計、60秒計、シンプルな継続秒計)は、絶妙なバランスで配置され、機能美を損なわないデザインを実現している。
この時計の心臓部は、IWC自社製キャリバー69355。確かな精度と、日付表示、クロノグラフという実用的な機能をコンパクトに収めている。ストラップには、深みのあるブルーと相性抜群の茶色サントーニ製クロコダイルレザーを採用。柔らかな革の経年変化も楽しめる、味わい深い一枚に仕上がっている。
IW371491は、 パネライコピー大袈裟な主張はない。しかし、その腕元に灯る一筋の紺碧の光は、確かな技術の上に成り立つ品格と、海を越えた探求心を静かに語りかけてくる。それは、現代を生きる“航海士”たちの、優雅で確固たる自信の証と言えるだろう。 |