1993年、オメガは一つの革命的なダイバーズウォッチを世に送り出した。ジェームズ・ボンドの腕元で名を馳せたシーマスター プロフェッショナル300Mは、その独特のデザインと高い機能性で瞬く間に時計史にその名を刻んだ。Ref.212.30.44.50.03.001は、その伝統を受け継ぐ2011年以降のモデルであり、44mmのケースに凝縮された、プロフェッショナルダイバーズクロノグラフの傑作である。
この時計の第一印象を決定づけるのは、ラッカー仕上げの鮮やかなブルーダイアルである。光を受けて深みのある輝きを放つ文字盤には、スケルトン加工の針とドットインデックスが浮かび上がり、レッドのクロノグラフ針が鮮烈なアクセントを添えている。3時位置の30分積算計、6時位置の12時間積算計、9時位置のスモールセコンドが織りなすレイアウトは、視認性と機能性の絶妙なバランスを追求している。
最大の特徴は、ポリッシュ仕上げのブルーセラミック製逆回転防止ベゼルである。傷に強く退色の心配がないこのベゼルは、プロフェッショナルツールとしての実力を物語る。10時位置にはヘリウムエスケープバルブと日付調整ボタンを統合した独自機構を備え、飽和潜水にも対応する本格装備だ。
心臓部に搭載されるのは、オメガ自社製のコーアクシャルキャリバー3330である。コラムホイール機構を備えた自動巻きクロノグラフムーブメントは、Si14シリコン製ヒゲゼンマイを採用し、耐磁性に優れている。クロノメーター認定を受けたこのムーブメントは、52時間のパワーリザーブと28,800振動/時という確かな精度を誇る。
ステンレススチール製のケースバックには、海馬のメダリオンが刻印され、300m防水の堅牢性を裏付けている。両面無反射コーティングを施したドーム型サファイアクリスタルが、あらゆる環境での視認性を確保する。
212.30.44.50.03.001は、単なる時計ではない。それは、海の冒険心と機械式時計の精密さが融合した、青い海面を刻むクロノグラフなのである。 |