1980年、スイスの時計業界に衝撃が走った。ウブロが「ゴールドとラバーの組み合わせ」という常識を覆す時計を発表したからである。「フュージョン(融合)」をブランドの理念に掲げるウブロ。その原点にして象徴的なコレクションが「クラシック・フュージョン」であり、その中でも特に黄金の輝きを放つのが「オリジナル イエローゴールド 565.VX.1230.RX.MDM」である。
このモデルの最大の特徴は、ケースに採用された18ctイエローゴールド(5N)と、ブラックのラバーストラップという、相反する素材の見事な調和にある。1980年のオリジナルモデルへのオマージュとして、ケースサイズは現代的な解釈で33mmまたは42mmが用意されているが、この565.VX.1230.RX.MDMは42mmケース。堂々たる存在感を放ちながらも、ウブロの持つスポーティなイメージをしっかりと継承している。
ケースデザインは、クラシック・フュージョンの特徴である「サンドイッチ構造」を採用。ベゼル、ケース本体、ケースバックの3層構造になっており、その間にウブロ独自のラバーインサートが挟み込まれている。このラバーが、ゴールドの硬質な印象を和らげ、視覚的にも物理的にも絶妙なクッション性を生み出している。
ベゼルには、6本の「H」形ネジが均等に配置されている。これらは単なるデザインではなく、サンドイッチ構造を固定する機能的な役割も担っている。表面には、ウブロの伝統であるサテン仕上げとポリッシュ仕上げのコンビネーションが施されており、光を複雑に反射する職人技が光る。
文字盤はブラックのサンレイ仕上げ。シンプルなバーインデックスと、同じくゴールドの針が、イエローゴールドのケースとのコントラストを美しく引き立てている。3時位置には日付表示窓があり、実用性も考慮されている。余分な装飾を排したクリーンなフェイスは、ファーストモデルの精神をそのまま受け継いでいる。
心臓部には、自動巻きムーブメント「HUB1110」を搭載。これはセリタSW300をベースにウブロが調整を加えた信頼性の高いキャリバーである。約42時間のパワーリザーブを提供し、日常使いでの精度は折り紙付きだ。特徴的なブラックのラバーストラップには、「イージー交換システム」が採用されており、工具不要で簡単に他のストラップと交換できる。
クラシック・フュージョン オリジナル イエローゴールド。それは、1980年の革命を現代に伝える歴史的な1本であり、同時に「黄金とゴム」という異素材の融合が見せる、ウブロの哲学が凝縮された傑作である。 |