パネライが2019年に発表した「トゥットネロ ルミノールGMT PAM01438」は、ブランドの象徴である黒いセラミックを文字盤だけでなくケースとブレスレット全体に採用した、革新の一本である。
このモデルの最大の特徴は、ケースとブレスレットを一体化する「フルセラミック」構造にある。ケース径は44mm。黒色のセラミック素材は傷に強く、経年変化による色褪せがほとんどないという実用的なメリットを持ちながら、マットな質感が生み出す重厚な存在感は、他の追随を許さない。
際立つのが、ケース表面に施された複雑な面取り加工だ。サテン仕上げとポリッシュ仕上げが組み合わされた表面は、角度によって表情を変え、漆黒のケースに奥行きと立体感を与えている。特徴的なリューズガード(橋型の保護装置)ももちろんセラミック製で、パネライのアイデンティティを強く主張する。
文字盤は、 パネライコピー伝統の「サンドイッチ構造」を採用。上のプレートに切り抜かれたアラビア数字とインデックスの下から、強力な夜光塗料が光を放つ。視認性は極めて高く、情報の整理も秀逸だ。3時位置には日付表示窓、9時位置にはスモールセコンドが配置され、さらにGMT針が別の時間帯を示すことで、実用性とデザイン性を両立している。
心臓部には自社製自動巻きムーブメント「キャリバーP.9010」を搭載。約3日間(72時間)のパワーリザーブを持ち、サファイアケースバックからその精巧な仕上げを鑑賞することができる。
トゥットネロ ルミノールGMT PAM01438は、黒いセラミックが創り出す究極のモノクロームの世界に、イタリアのデザインとスイスの技術を融合させた、現代のパネライを象徴する一本である。 |