ロレックスが2013年に発表した「コスモグラフ・デイトナ 116506」は、デイトナ誕生50周年を記念して登場した記念碑的なモデルである。この時計の最大の特徴は、ケースに950プラチナを採用したことにある。デイトナにプラチナが用いられたのはこのモデルが初めてであり、それ自体が歴史的な意味を持つ。プラチナの重厚な輝きは、スポーツクロノグラフにこれまでにない格調をもたらしている。
しかし、このモデルの真価はその文字盤にある。名称に「バゲットダイヤル」とある通り、アイスブルーの文字盤には、8個または11個のバゲットカットダイヤモンドがインデックスとしてセットされている。このダイヤモンドの輝きが、プラチナ本来の美しさを一層引き立てている。文字盤のアイスブルーは、ロレックスがプラチナ製の時計にのみ許す特別なカラーであり、その爽やかでいて深みのある青色は、見る角度によって表情を変える。
栗色のセラクロムベゼルとのコントラストは絶妙で、モータースポーツの歴史とラグジュアリーの融合を象徴している。ケース径は40mm。手に取った時の重厚感は、プラチナという素材の重みを雄弁に物語る。
心臓部には自社製キャリバー4130を搭載し、約72時間のパワーリザーブと、垂直クラッチによるスムーズなクロノグラフ操作を実現している。
デイトナ116506 バゲットダイヤル。それは、伝説のクロノグラフが到達した一つの頂点であり、まさに「プラチナが奏でる氷と炎のハーモニー」と呼ぶにふさわしい一本である。 |