1860年フィレンツェ創業のパネライは、イタリア海軍の特殊潜水部隊「デチマ・マス」のために極限の道具を生み出してきた。その軍事的遺産を現代に伝える「ラジオミール」コレクション。Ref.PAM00690は、この伝統を45mmではなく、さらに歴史的な47mmケースで復刻した特別な一本であり、18Kピンクゴールドという贅沢な素材で戦時中のプロトタイプを現代に蘇らせている。
この時計の第一印象を決定づけるのは、ワイヤーラグと溶接式のラグが特徴的なクッション型ケースである。直径47mmという圧倒的なサイズは、現代の腕時計としては異例だが、これは1940年代のオリジナル潜水時計のプロポーションを忠実に再現した結果である。18Kピンクゴールドの重厚な輝きは、パネライ独自のフォーミュラによるもので、時とともに深みを増す温かみが特徴である。
最大の特徴は、マットブラックのサンドイッチ構造ダイアルである。下層に夜光塗料を塗布し、上層で数字とインデックスを切り抜くこの伝統的な手法は、暗闇でも圧倒的な視認性を確保する。オリジナルモデルと同様に、12時位置に正三角形のマーク、他の時間にはシンプルなアラビア数字とバーインデックスが配されている。この「トリチオ」と呼ばれるレイアウトは、1940年代の復刻モデルの特徴である。9時位置のスモールセコンドも、軍用時計の機能美を継承している。
ケースは、枕型のクッションケースと呼ばれるフォルムで、ワイヤーのような形状のラグがケースと溶接されている。すべての数字とインデックスは、強いグリーンの夜光素材で満たされているが、これは現代の安全基準に適合させたスーパールミノバである。
心臓部に搭載されるのは、 パネライコピー自社製の手巻きキャリバーP.3000である。厚さ5.3mmのこのムーブメントは、二つの香箱により72時間という長期パワーリザーブを誇り、21,600振動/時の伝統的な鼓動を刻む。サファイアクリスタルのシースルーバックからは、その精緻な動きと工業的な美しさを鑑賞することができる。
ブラウンのアリゲーターストラップは、時代を感じさせるヴィンテージ加工が施され、ピンクゴールドのピンバックルで確実に固定される。100mの防水性能も、海との深い関わりを物語っている。
PAM00690は、単なる時計ではない。それは、深海の記憶と戦時中の遺産を、18Kピンクゴールドという永遠の素材で現代に伝える、47mmの歴史絵巻なのである。 |