フランク・ミュラーが2021年に発表した「ヴァンガード レーシング スケルトン」コレクションは、モータースポーツの世界からインスピレーションを得た、ブランドの新たな挑戦を示すモデルです。その中でもリファレンスV45SCDT SQT RCGは、自動車レースの鼓動をそのまま腕時計に閉じ込めたような、ダイナミックな存在感を放っています。
このモデルの最大の特徴は、レーシングカーのエンジンを彷彿とさせるスケルトン(透かし彫り)ムーブメントにあります。まるでタコメーター(回転計)のようにデザインされた文字盤は、煙がかったサファイアクリスタル越しに、ムーブメントの精巧な構造を余すところなく見せてくれます。秒針の目盛りが、通常の時計とは逆に6時位置から始まる点も、レースの興奮を再現した遊び心の現れです。
ケースは、ブランドの代名詞であるトノー(樽型)形状を採用し、縦53.7mm、横44mmという存在感のあるサイズです。素材にはステンレススチールが用いられ、サテンとポリッシュ仕上げのコントラストが、スポーティな印象をさらに引き立てています。ストラップは、スポーツカーのシートを思わせるアルカンターラ®スエードとラバーの組み合わせで、見た目だけでなく、装着感にも配慮が行き届いています。
心臓部には、自動巻きムーブメントを搭載し、時・分・秒に加え日付表示も備えた実用的なスペックを持ちながら、その機能美を追求したデザインは、まさに「走るための時計」の理想形と言えるでしょう。 |