1904年、ブラジルの航空界の英雄アルベルト・サントス=デュモンは、空を飛びながら時刻を確認できる時計を、友人のルイ・カルティエに依頼した。こうして、世界初の「着用できる腕時計」、そして四隅が露出したスクリューによる「正方形ケース」は誕生した。それから120年近くを経て発表された「サントス ドゥ カルティエ」LM WSSA0018は、その栄光の遺伝子を脈々と受け継ぐ、現代の日常に寄り添う一枚である。
ステンレススチールとイエローゴールドのツートーンケースが奏でるハーモニーは、このモデルの最大の魅力だ。カルティエのサントスは、1910年代から貴金属とスチールの組み合わせを採用してきた先駆者であり、その伝統はこのLM WSSA0018においても健在である。 パネライコピーポリッシュとサテン仕上げを巧みに使い分けたケースは、光を受けて多面的に輝き、八角形のベゼルに埋め込まれたスクリューが、航空機のリベットを思わせる機能的な美しさを演出する。
文字盤は、優しい光沢を放つシルバー。ブルーの剣型針(フレイム・ドゥ・カルティエ)が、迷いのない正確さで時を指し示す。7時位置に刻まれた小さな「Cartier」のサイン。これら全てが、控えめでありながら確固たる存在感を放つ、カルティエの美学そのものである。
この時計の革新的な側面は、ツールレスで交換可能な「クイックスイッチ」システムにある。ステンレスブレスレットはもちろん、付属のブルーやブラウンのアリゲーターストラップに、工具なしで瞬時に交換できる。それは、飛行機が着陸し、ビルの谷間へと降り立つ現代のビジネスマンの、多様なライフスタイルに柔軟に応える機能である。
サントスLM WSSA0018は、人類初の飛行夢から現代の日常まで、時を超えて愛されるデザインと機能を体現している。それは、空を見上げるロマンと、地上を生きる洗練を、ただ一つの四角いケースに宿した、ジュウ渓谷からの贈り物なのである。 |